テーマをブルースに絞り、都会的なブルース・フィーリングに彩られたケニー・バレルのロング・セラー・アルバム。 (C)RS

ケニー・バレルの名声を決定づけたロング・セラー。
テーマをブルースに絞り、ダンディズムを横溢させたギター・プレイで魅了する。
コンガの巨匠、レイ・バレットの好演も聴き逃せない。

 ・ amazon : Midnight Blue (1963) / ミッドナイト・ブルー

最高のギタリストによる都会的で洗練された真夜中のブルース。

●スタンリー・タレンタイン(ts)/ケニー・バレル(g)/メイジャー・ホリーJr(. b)/ビル・イングリッシュ(ds)/レイ・バレット(cga)
●1963年1月8日録音

ケニー・バレルの魅力は、そのブルージーなギター・プレイにある。といっても、それは真っ黒な感じではなくて、どこか都会的で洗練された感じのアーバン・ブルース。だからバレルが最高に輝いているのはブルースを弾いている時だ。アルバムでいうと、本作がまさにそれ。オープニングの<1>が始まった瞬間、思わず鳥肌が立つ。4曲目のタイトル曲にさしかかると恍惚の境地。そしておなじみの<6>になると、もうどうにでもしてくれと叫びたくなる。
とにかく本作はブルースのオン・パレード。しかもスローありミディアムあり、あの手この手で楽しませてくれる。単にブルースをやっているというだけでなく、それぞれの曲に表情があり、泣かせるメロディばかりなので満腹感を味わえる。ブルージーなギターと相性がいいのはオルガンとサックスというのが相場だが、本作ではスタンリー・タレンタインのテナー・サックスが、これまた持ち味を発揮したソウルフルな演奏で、ジーンと胸に染みる。(市川正二)

 ・ Spotify : Midnight Blue (1963) / ミッドナイト・ブルー

1. Chitlins Con Carne
2. Mule
3. Soul Lament
4. Midnight Blue
5. Wavy Gravy
6. Gee Baby, Ain’t I Good To You
7. Saturday Night Blues
8. Kenny’s Sound
9. K Twist

Burrell’s 1963 masterpiece with two bonus tracks not found on the vinyl LP configuration, ‘Kenny’s Sound’ and ‘K Twist’. Rest of the line up on the album is Stanley Turrentine (tenor sax), Major Holley Jr. (bass), Bill English (drums) and Ray Barretto (conga). Nine tracks total.Both the original & this reissue are Blue Note releases.