パット・メセニー・グループの黄金時代の1枚。本作をはじめとするこれらの作品を聴けば,このグループの存在の大きさが分かるはず。どの作品も完成度,クオリティの高さでは一歩も譲らないが,後に演奏される機会の多いトラックがいくつも収録されている本作には発見が多い。
■パット・メセニー・グループ「ゲフィン」移籍第1弾アルバム。第30回(1988年)グラミー賞「ベスト・ジャズ・フュージョン・パフォーマン
ス」受賞作品。
■パット・メセニー(g)、ライル・メイズ(key)、スティーヴ・ロドビー(b)、ポール・ワーティコ(ds)、アーマンド・マーサル(perc,vo)、マーク・レッドフォード(vo)
■1987年作品

 ・ Google Play Music : Pat Metheny : Still Life (Talking)(1987) / スティル・ライフ

 ・ Spotify : Still Life (Talking) / スティル・ライフ

パット・メセニーは心をこめて音楽の世界を旅し、フリート・ジャズ、ガレージロック、アバンギャルドな音のカオスを巡ってきた。けれども、この1987年のヒット作で最重要視したのは、ブラジル的なアクセントとボーカリーズ・スタイルのコーラスをより強調するという新たな手法だ。そこで、3人のシンガー(パーカショニスト兼ボーカリストのアーマンド・マルサル、シンガーのデヴィッド・ブラマイアズとマーク・レッドフォード)を起用し、メセニーの中心となるカルテット(キーボードのライル・メイズ、ベースのスティーヴ・ロドビー、ドラムのポール・ワーティコ)に加えた。
これまでもメセニーは自身のギターシンセサイザーをメイズの円熟した電子オーケストラに心地よく溶けこませていたが、本作のサウンドにも陽気さと哀愁と躍動感がかわるがわる現れている。また、ブラジル的な美意識を、愛らしいオープニング曲「Minuano (Six Eight)」やカラフルな「So May It Secretly Begin」で聴かせてくれる。メセニーの天性のアメリカ的感覚のルーツは、大草原地帯での生い立ちと、メセニーの音楽がいつも呼び覚ます大平原のように広大な音にある。本作で最も有名なナンバー「Last Train Home」では、電子シタールのサウンドをよみがえらせ、思いがけなく情緒的な効果をもたらしている。(Sam Sutherland, Amazon.co.uk)

  ・Still Life / amazon.co.jp

ディスク:1
1. Minuano (Six Eight)
2. So May It Secretly Begin
3. Last Train Home
4. (It’s Just) Talk
5. Third Wind
6. Distance
7. In Her Family