原題の『SIROCO』とは、サハラ砂漠から地中海沿岸へ吹きつける熱風のこと。86年に録音されたこのアルバムは、文字どおりスペインのアンダルシア地方へ熱気を運んだといっていいだろう。純粋なフラメンコのソロ作品としては、本作より10年前の作品『奔流』以来だ。
緩急の激しいダイナミックなリズム、時折入る手拍子やサパテアード(合いの手のようなもの)、ゆったりと歌うような曲調…。フラメンコは歌とギターと踊りが三位一体になった舞台芸術だが、パコの独奏は見事にそれを表現している。(新井由己)

 ・ Siroco / amazon.co.jp

 ・ Spotify : Paco De Lucia : Siroco (1987) / 熱風

ディスク:1
1. ラ・カニャーダ(タンゴス)
2. 可愛いクーロ(ロンデーニャ)
3. ラ・バローサ(アレグリアス)
4. さとうきびのルンバ(ルンバ)
5. エル・パニュエロ(ブレリアス)
6. ムーロの小道(ミネーラ)
7. カルシダ(タンギージョス)
8. ニーニョ・リカルドに捧げる(ソレア)