約1年ぶりの新作。前作『鯔背』も良かったけれど、これもまた良い。個性的なギター・スタイルは健在だし、新しいリズム・セクションがまた強力。特に⑦でのプレイは圧巻。単なるテクニックではなく、歌心のあるギター・プレイを聴かせてくれる人。
「CDジャーナル」

 ・ amazon : John Scofield : Blue Matter (1986) / ブルー・マター

ジョン・スコフィールドは77年に日野皓正グループに加わって初来日。その時、日本で初リーダー作を録音した。その当時はブルースがけっこういい感じのユニークなギタリスト、くらいにしか思っていなかったけど、その後の快進撃には目を見張らされる。なにしろ80年代以降は、コンテンポラリー・ジャズ・ギターの第一人者なのだから。これは86年に録音したグラマヴィジョンでのサード作。マイルス・バンドをやめた直後の録音だ。それまでとはメンバーを一新、ミッチェル・フォアマン、ハイラム・ブロック、ドン・アライアス、デニス・チェンバースを含む顔ぶれで、非常にすっきりとしたフュージョン調の演奏を繰り広げている。演奏内容が整理されていて、アプローチが明快だ。そしてデニス・チェンバースの存在。ここでのチェンバースはもうひとりの主役といっていいほど目立っていて、バンドを強力にプッシュする。特に<2>のドラミングは圧巻。このアルバムを聴いてデニチェンのファンになったという人もけっこう多いようだ。(市川正二)

 ・ Spotify : John Scofield : Blue Matter (1986) / ブルー・マター

CD 01.
01. Blue Matter 5:50
02. Trim 7:37
03. Heaven Hill 4:30
04. So You Say 4:36
05. Now She’s Blonde 5:35
06. Make Me 2:55
07. The Nag 4:23
08. Time Marches On 7:33